2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧
フェンネルの香りが記憶を呼び起こす リカールの味 ペルノの匂い
蟻見上ぐ はるか遠くに額紫陽花
過ちて踏み殺したる蛞蝓の死骸に集(たか)り貪る蟻ら
青海波なのに薄茶たぁ これいかに
停電の五六回あり 虎が雨
名を呼べば喃語でいらへて駆け寄れり わが魂のやさしさの形(なり)
蒸し暑き日がまたひとつ暮れゆきぬ ほうれん草の軸を捻じ曲げ
「おれたちはみな悲しみを抱いてる」、その「おれたち」にわたしはいない
夏至と知って日の長さに気づく
今日はコスタリカ人がいい
「歳時記は『夏』だけ持っていないの」と農家の若妻そろり耳打つ
うぐいすの初鳴きくらいのちょうどよさ
道に落ちている軍手のかたわれを思う
ときおり陰暦をたしかめる
ゴキブリだって尻が光れば
今日だけコートジボワール人でいい