寒柝(かんたく)も「火の用心」の声も濡れ
寒鴉 痰の絡まる声で鳴き
雪もよひ 法連草の顔も痩せ
山間(やまあい)にポインセチアの姿見ず
大根(だいこ)洗ひ 氷の芯まで洗ひけり
挨拶もなく膝に乗る炬燵猫
寒夕焼(かんゆやけ) 尿(しと)より上る湯気照らす
長靴に踏みしだかれ鳴く雪一面
登校に冬田横切る少女かな
鄙宿の土鍋の底の焦げ竹輪
芭蕉忌や 寝間着の袖にもほつれあり
この辻より何処を向きても冬茜
心急(こころぜ)く銀杏の落ち葉に竹箒
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