さよならまで、もうすこしだけ

虚実綯い交ぜの句日記・歌日記

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

バイクがうるさい

三遊亭円丈に似るおっさんの毎朝乗りたるバイク五月蠅し

三日月

三日月に顔あるやうに見ゆる夜

三千世界のクソガキ

三千世界のクソガキはたき ゆっくり読書をしていたい

缶詰のサンマ

野分去る 缶詰の秋刀魚 昼餉(ひる)に喰ひ

キジ

稲刈り前 畦に屹立せる雉の

「異動します」

突然に「異動します」と告げられて小さな挨拶交わすしかなく

彼岸過ぎ

彼岸過ぎて投げ売りされる仏花かな

ようようと

漸(やうや)うと赤の解(ほど)ける彼岸花

鳥影

夕焼けを背負いて列(なら)ぶ軽トラのサイドミラーをよぎる鳥影

句会で「良夜」を知る

句会にて知らぬ季語知り彼岸入る

ハエ

吾(あ)の腕の毛に足かくる蠅軽(かろ)し

鱗雲

空の鱗ひとつ剥がして手紙書き

カラスの羽

朝霧や キャベツ畑にカラス羽根

彼岸花

不意打ちをして澄まし顔 彼岸花

火事

屋根瓦の燃え崩れし跡 秋高し

敬老の日

敬老の日というよりは投資の日

ジャンプ

蛇に遭ひ 様悪(さまあ)しく跳ぶ蛙かな

事故

知り合ひの事故に遭ひし日 寝待ち月

#16

足疲れイナバ物置の上にのぼる 警察(サツ)・乞食・カバ・馬・ユニコーンも

おせち

年々とおせちの予約が早くなり

線香花火

月のもと実家に帰るというきみと線香花火さよならの代わり

名月

名月でなくても月は月であり

サンマ

舌火傷す 去年(こぞ)の秋刀魚は高かりし

コスモス

陽や風に恵まれざりしコスモスに少し優しい雨降ればいい

どれる

雨降ればもぐらは増えて畦どれる

黒猪

黒猪(くろじし)や 罠より逃げるその迅(はや)き

ゆれる

心ゆる ふたとせ語らぬひとの見え

トマト、なかなか色が来ない

夏去りぬ トマトの色づき遠くなり

鶏頭

友不在 畑の鶏頭を眺め去る

アラビア文字

さりながら異国の文字の美しき