さよならまで、もうすこしだけ

虚実綯い交ぜの句日記・歌日記

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

木曜日

蜂飼いの刺青目にした木曜日

水曜日

水曜日 先祖返りのエラ呼吸

火曜日

縮みゆく巨人と会食 火曜日に

月曜日

月曜日 義理堅い狸 破門され

サギ

拗ね者の鷺の叫びの喧しき

うなぎ

食卓は平生(つね)と変はらず土用丑

カナカナ

「カナカナ」を雑音とする人もあり

約束

約束を違ふ年寄り大暑なり

ウイキョウ

「茴香(ウイキョウ)のことなど知らぬ」そう言ってあなたは逃げる小隠れ横丁

おばけ

こんな日はぼくらおばけになりたいね ヤマツバメの輪を眺めるおばけ

悪縁

悪縁といふ縁(えにし)もあり土用太郎

あつらえむき

そのひぐらしのうたくちずさむゆうぐれ

初鳴き

暑さ奔(はし)る 「初鳴き」の声も上擦れり

ジベ

「『ジベつけ』の意味をあなたもわかるのね」 甲州出身 早朝のふたり

きらい

問題にするのはきらい 自公とも

真夜中に埃の積もる壜を撫づ 高野山に降る雨は冷たし

開けられることのないワイン

葡萄酒のヴィンテージのみ旧(ふ)りてゆく 箱に収まる酒器はあらたし

昔の名前

コピーしたハケンがホラをふくたけか

草刈りの匂い

草刈られ匂ひ漂ふ夕べかな 藍のズボンは未だ色落ちせり

太鼓の稽古

土用近し 近所の子らの太鼓鳴る

颱風

身震はせ電線に宿る燕らに笠をやりたし颱風前線

写真の花

写真の花も今はもう枯れている

長話と汗

似非百姓の話終わらず汗鹹(から)し

七夕

七夕や 蜘蛛の巣のある道を避け

コスタリカ

伯剌西爾より英雄たちが帰りゆく 誇りを胸に「豊かな海岸」

トマト、色づく

猫騒ぎ そろそろトマトに色が来る

クマゼミ

けふあたり熊蝉出づるか 鳶旋回(まわ)る

韻の発見

「稼ぎ頭」と「大黒柱」で韻を踏める

無精

塀越しに無精の水撒き 半夏生

水撒き

水撒き ホース踏み勢いが変わる