夏
水撒き ホース踏み勢いが変わる
「ほなまたな」壁に文字書く蝸牛
蟻見上ぐ はるか遠くに額紫陽花
過ちて踏み殺したる蛞蝓の死骸に集(たか)り貪る蟻ら
停電の五六回あり 虎が雨
蒸し暑き日がまたひとつ暮れゆきぬ ほうれん草の軸を捻じ曲げ
夏至と知って日の長さに気づく
「歳時記は『夏』だけ持っていないの」と農家の若妻そろり耳打つ
うぐいすの初鳴きくらいのちょうどよさ
ゴキブリだって尻が光れば
水撒き ホース踏み勢いが変わる
「ほなまたな」壁に文字書く蝸牛
蟻見上ぐ はるか遠くに額紫陽花
過ちて踏み殺したる蛞蝓の死骸に集(たか)り貪る蟻ら
停電の五六回あり 虎が雨
蒸し暑き日がまたひとつ暮れゆきぬ ほうれん草の軸を捻じ曲げ
夏至と知って日の長さに気づく
「歳時記は『夏』だけ持っていないの」と農家の若妻そろり耳打つ
うぐいすの初鳴きくらいのちょうどよさ
ゴキブリだって尻が光れば